不登校の問題について
県知事選の中で、様々な出会いがありました。
その中で「不登校」の中学生のお子さん、そしてそのお母さん達とも対話させていただくことが出来ました。
当事者の皆さんの言葉を紹介しつつ、今の富山県(ひいては日本)にはどのような取り組みが必要なのか、考えていきます。
【Aくんの事例】
Aくんは口が達者。物怖じせずに大人にも意見が言えて、核心を突く言葉選びがうまい。周囲の空気を読まずに発言してしまうことがある。運動は苦手なようで、体格はややふくよか。
~不登校になったきっかけ~
・クラスの学級委員をしているBからのイジメ
・学校、教員による不誠実な対応
~経緯~
これまで何度も学級委員Bと口論することはあったそう。
ある日、自転車で帰ろうとしていたとき、Bやその取り巻きに言いがかりをつけられた。
言い合いの末、身体を押され自転車ごと倒された。
出血を伴う全治数週間の怪我を負った。
お母さんはただちに学校に連絡した。
しかし学校からは、普段の様子から
「悪いのはAだろう」と言われ、担任や学校による真相の調査をされることはなかった。
Aくんはこのことがショックで次の日からしばらく学校に行けなくなった。
何日か経って、久しぶりに学校に行った際、手に包帯をしていた。
それを見た加害者である学級委員Bは、
「大げさに包帯なんか巻きやがって」
と吐き捨てるように言ってきた。
Aくんはこの一連の出来事で、学校に行けなくなった。
~一連の出来事からAくんとお母さんが感じたこと~
●学校が「真実」を調査し、責任の所在を明らかにしてくれない。(事なかれ主義)
●加害者であるBが「人を怪我させた」ことの重要性を認識できていない。(道徳の欠如)
●学校以外の「居場所」がない。(受け皿の不足)
●行政主催の当事者会には、たくさんの参加者がいる。(課題の山積)
●スクールカウンセラーが圧倒的に足りていない。
【県政が取り組むべきこと】
1.教員に、児童・生徒と向き合える余裕を創る。
⇒教員を減らさない。
(新田知事は令和6年、条例により小中高の教職員定数を削減している。これを撤回してはどうか)
2.真実の調査、加害者への対応は弁護士に。
⇒私は基礎自治体職員に弁護士を採用すべきと思っている。特に子どもや弱者のケアに関連してくる教育委員会や福祉関連部署などに配置出来れば良い。県が人件費を補助すれば推進できるのでは。
3.スクールカウンセラーの充実。
⇒時代は臨床心理士や認定心理士の配置を増やすべき局面にきている。
今回のAくんの事例に出てきた学級委員Bのように、普段、教員などの大人から見て「いい子」なのに、いじめ加害者であることがある。大人に見せる姿と、同級生に表す姿との差異を生む原因は何なのか。ここを突き詰めて向き合わなければいけない。
市内の学校を数人のカウンセラーで掛け持つのではなく、需要の実態に応じた配置を行わなければ、置き去りにされる子どもがたくさん出てきている。
4.「居場所」づくり
学校の内外に、もっと「居場所」を創る。フリースクールだけではなく、私は地域の公民館や児童館、図書館などに、もっとそんな場所が出来ても良いのではないかと思っている。
5.そもそも「親」。
加害者の親に余裕がなくて、道徳観を教える暇もないのか。親も教員もじっくりと子どもと向き合える時間を持てない、そんな状況を変えるには、社会を根本から変えないといけない。
6.政治家が話を聞く。
予算編成権を持つ者こそ、様々な当事者の集まりに顔を出し、耳を傾けなければいけない。そうでないと、いつまでも声が届かない。何からできるか、どこまでできるか、まずは知ることから。