職場で男性初の育休を取得して、10ヶ月間、育児と家事に励んだ話

誕生後に発覚した息子の全身骨折が治癒し、めでたく退院した日から半月ほど経った頃。

妻から
「帰ってきてすぐ『疲れた』なんて言われたら何も頼めない。一日中、赤ちゃんが骨折しないように、無事に生きられるように緊張してお世話してる。怜君も仕事で大変だろうけど、もっと手伝ってほしい!」
と泣かれました。

頭を殴られた気分でした。
この頃、私が勤務する病棟は入院患者数が多く、重症患者さんや認知症患者さんなどが多く、多忙を極めていたのです。勤務を終える頃には、ヘロヘロでした。

出産前、私は「子どもが生まれたら、もっと家事をしたい」と妻に話していました。

その誓いを全く果たせていない。私はすぐ妻に謝り、「育休の取得」を考え始めました。

しかし、当時の私は、「男性の育休は、職場の規定によるもの」と思っていたのです。無知は恐ろしいですね。
調べてみると、法律で性別を問わず認められている権利でした。

そしてある夜勤の日。患者さんのお世話をしながら「何で自分、夜勤までしながら他人のお世話してるんだろう。今は息子と妻を最優先すべきだよな」と感じました。

制度を調べ、同じ病棟の同僚達に「僕、育休取ろうかと考えているんです」と話すと、100%「いいね、取りなよ!」という言葉をもらいました。

院内で男性が育休を取るのは、初めて。本当に取らせてもらえるのかと不安でした。

しかし、ある日意を決して直属の上司に
「育休を取りたいんです」と伝えました。

すると上司は、他のスタッフから話を聞いていたのか、
「いつから?わかった。今、看護部長に言うね」と答えてくださり、5分後には、私は看護部長室にいました。

看護部長も
「わかりました。お子さんのために頑張ってね!」と、即答。

こんなにすんなり受け入れてもらえるのかと、ビックリしました。
これはやはり、医療現場、特に看護の世界が女性を多く占める職場であったこと、厚生連滑川病院は子育て世代が多いことが、男性への育休に理解を強く示してくれたのだろうなと思います。

男性育休取得、第一号になったわけです。

帰宅後、妻に報告すると喜んでくれました。
夫婦で、理解ある職場に感謝感激でした。

こうして私は、10ヶ月間の育休を取得することが出来たのです。

私は育休中に食事作りを担当し、妻に調味料の使い方のコツなどを学び、3回に一回は不味かった料理が、1年後にはほとんど失敗しなくなり、レパートリーもかなり増やすことが出来ました。

もともと、一人暮らし歴も長く、料理以外の家事は最低限できていたので、料理の腕を意識的に磨きました。

育児においては完全母乳をあえて避け、混合育児をすすめました。そのおかげで、私と息子二人だけでお出かけすることもかなり多く、妻が休息する時間を多く作れていたと思います。
乳児とパパが二人きりで外出している家庭は、当時でもあまり見かけなかった印象があります。

同時に家族三人でもたくさん出かけました。

私たち夫婦は、家事にせよ、子どもの世話にせよ、夫婦どちらも近い水準でできるようになっておくことが、最大のリスクヘッジだと考えていました。

夫婦どちらかが病気になったり、ケガをして動けなくなったりしても、息子の育児に支障をきたさないことを目標にしてきたのです。

今、育休取得率が上がっているといわれていますが、私は取得率も大事だと思いますが、取得期間や時期も大事だと思います。
今の取得期間はあまりに短く、もっと取得できる環境を整えるべきだと感じています。

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